風雲☆永田町

「政治という仕事は、情熱と判断力の両方を使いながら、堅い板に力をこめて、ゆっくりと穴を開けていく仕事だ」(マックス・ウェーバー)

「全集中の呼吸で答弁」鬼滅ブームが菅首相にも届く 首相の呼吸はどの流派?

 菅義偉首相が2日の衆院予算委員会で、大ブームとなっている漫画・アニメ「鬼滅の刃」の技を用いて「全集中の呼吸で答弁させていただく」と述べた。首相は政府高官に「見たことあるから使おうと思っていた」と話したという。「見た」のは原作漫画なのかテレビアニメなのか、映画なのかは不明だが、空前のヒットとなっている「鬼滅ブーム」が国会にも届いた形だ。

 主人公たちは、敵である人を喰う「鬼」を退治する「鬼殺隊」である。鬼は日光を浴びるか鬼殺隊が持つか刀で首を斬られない限り死なない。鬼殺隊は「全集中の呼吸」という身体能力を高める技を用いて身体能力を高め、鬼の首を斬る必殺技を繰り出す。「全集中の呼吸」には剣士の愛称に応じて「日の呼吸」「水の呼吸」「炎の呼吸」「雷の呼吸」「岩の呼吸」などの流派があり、さまざまな必殺技が見どころの一つでもある。

 菅首相の「呼吸」はなんだろうか。連載当初から鬼滅に注目していた国会議員が語る。

 「雪深い秋田出身ということで、雪の呼吸や氷の呼吸が考えられる。原作にはないが、水の呼吸から派生すると考えられる。仕事や人事に厳しい菅首相には冷たいイメージもある。もしくは、『意志あれば道あり』を座右の銘とするたたき上げだけに、鉄の呼吸、鋼の呼吸というのもありだ。これは岩の呼吸から派生するという理屈が立つ」

 妄想は自由である。一方で毎日新聞は、菅首相を鬼滅のラスボスである鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)に例えた記事を掲載した。「政治家は人を喰って生きている」という格言から、鬼に例えるのは、まあ、うなずける。ただ、毎日の記事は無惨の「私が正しいと言ったことが正しいのだ」という言葉に菅首相をなぞらえている。

 菅首相が無惨だとしたら、他の鬼は誰が「実写版」か。先の国会議員に聞くと。

 「うーん。とりあえず思いつくのは、上弦の弐・童磨(どうま)は心がなく女を食べる。ノンポリでアイドル好きな立憲民主党枝野幸男代表か。上弦の̪肆・半天狗(はんてんぐ)は小沢一郎衆院議員かな。表に出てこず、つつくと側近議員が襲ってくる。上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)は陶芸家の細川護熙元首相でお願いしたい」

 泣く子も黙るキャスティングだ。