風雲☆永田町

「政治という仕事は、情熱と判断力の両方を使いながら、堅い板に力をこめて、ゆっくりと穴を開けていく仕事だ」(マックス・ウェーバー)

尖閣の中国人船長釈放「菅直人の指示」 枝野推薦人は「悪夢の民主党」軍団

 産経新聞が8日付朝刊1面トップでド級のスクープを放った。民主党政権時代に外相を務めた前原誠司衆院議員が、2008年9月7日に尖閣諸島沖縄県石垣市)沖の領海内で発生した海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件で、当時の菅直人(かん・なおと。菅義偉氏に気の毒なので毎回読み仮名を記す)首相が、逮捕した中国人船長の釈放を求めたとインタビューで明らかにしたのだ。
 記事によると、菅(かん)氏は同年11月に横浜市アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議があり「胡錦濤国家主席が来なくなる」と主張し「俺がAPECの議長だ。言うとおりにしろ」と言い放ったという。
 当時官房副長官だった立憲民主党福山哲郎幹事長は8日の記者会見で「指揮権発動はしていない」とは言ったが、指示の有無については言及しなかった。暗に認めたようなものだ。
 船長釈放は、中国を付け上がらせる原因のひとつとなったことは否めない。民主党政権は「検察独自の判断」と強調してきたが、ウソだったことになる。立憲民主党安倍晋三政権が賭けマージャンの高検検事処分を「法務省が上げてきた」としていることを批判しているが、自分たちが検察に介入した経験があるから、政治介入があったと疑いを持つのではないか。ベテラン記者の話。
 「改めて『悪夢の民主党政権』が浮き彫りになったが、この状況下で、いま行われている立憲民主党国民新党の合流新党の代表選で、立憲民主党枝野幸男代表の推薦人名簿を見るとため息が出てくる」
 【衆院石川香織(北海道11)、江田憲司(神奈川8)、大河原雅子(比例北関東)、逢坂誠二(北海道8)、小川淳也(比例四国)、小沢一郎(岩手3)、亀井亜紀子(比例中国)、川内博史(鹿児島1)、菅直人(東京18)、近藤昭一(愛知3)、佐々木隆博(北海道6)、佐藤公治(広島6)、武内則男(比例四国)、辻元清美(大阪10)、西村智奈美(新潟1)、野田佳彦(千葉4)、堀越啓仁(比例北関東)、牧義夫(比例東海)、矢上雅義(比例九州)
 【参院江崎孝(比例)、小沢雅仁(比例)、長浜博行(千葉)、水岡俊一(比例)、森屋隆(比例)、蓮舫(東京)
 「まさしく民主党だ。しかも左傾化した民主党だ。民主党政権での肩書で呼ぶと小沢一郎幹事長、菅直人首相、野田佳彦首相、蓮舫行政刷新担当相、川内博史・ガソリン値下げ隊長とそうそうたる顔ぶれだ。リベラルグループ「サンクチュアリ」の江崎孝参院議員の名前もある。集団的自衛権に反対し、みんなの党で左派だった江田憲司衆院議員も加わっている。新鮮味がなく、支持率は上がらない」
 前原氏はなぜいま、暴露したのか。
 「野党の主導権争いの側面がある。前原氏は合流新党に参加せず、残る国民民主党の代表になる見通しだ。合流新党のイメージダウンを図り、次期衆院選で少しでも議席を獲得したいのだ」