風雲☆永田町

「政治という仕事は、情熱と判断力の両方を使いながら、堅い板に力をこめて、ゆっくりと穴を開けていく仕事だ」(マックス・ウェーバー)

安倍ー菅が仕掛ける「石破おしまいDEATH」

 自民党総裁選にからみ、森喜朗元首相が7日夜、東京都内のホテルで興味深い発言をした。
 「安倍晋三首相の本心は岸田文雄政調会長だ。しかし、周りがだんだん菅義偉官房長官支持で納得する空気になって、結局は皆が乗らざるを得なくなった」
 森氏はいまだ自民党最大派閥の細田派に影響力を持つキングメーカーの一人だ。狙いについて細田派所属が語った。
 「自民党総裁選で岸田氏に一部の議員票を回せ、という号令だ。いま、都道府県連の投票と議員票の両方で苦戦している岸田氏が石破茂元幹事長に負けて3位になりそうだから、首相の名前を借りて救おうとしているのだ」
 なぜそんなことをする必要があるのか。
 「菅氏が都道府県連と議員票で圧勝しそうだ。石破、岸田の2位争い。3位になったら政治生命を失いかねない。石破氏は地方で一定程度得票がありそうだが、岸田氏は厳しい。議員票で逆転させてやろうということだ」
 安倍首相は大の石破嫌いで知られる。今回菅氏支持に回ったのも、「石破以外なら誰でもよい」という思いがある。岸田氏の目を残し、石破氏をつぶせば、次にまた自分が影響力を持ってキングメーカーに君臨できるとの計算もありそうだ。
 TBSの人気ドラマ「半沢直樹」にちなんで「石破おしまいDEATH」と菅陣営は笑っているという。